昔、大学院生ぐらいのときに、自前のブログをやっていました。飽きて随分前に更新をストップし閉鎖してしまったんですが、この頃言語学関係の学会等の機会に、昔そのブログを読んでくださっていたと告白してくださる方にお会いすることが多い。
手前味噌で大変おこがましいのだが、「ブログ楽しく読んでいました」と好意的に言ってくださる方が複数いらっしゃる。僕としては、あの何者でもなかった馬鹿者の自分の世迷言ブログが、何故そんな方々の目に止まったのかわからず、大変恐縮してしまう(若い方々だけではなく、かなり上の世代の教授先生方で読んでくださっていた方がいるというのだ。全く驚きだ)。
ブログを書くのが億劫になってしまったのは、まあ例によって、このSNS時代の不特定多数の匿名性のもとでの「全人口揚げ足取り時代」(あるいはそのような恐ろしいイメージ)の前に、余計なことはまあなるべくしないでおこうという、自己防衛の意味合いもあってのことだったが、基本的には僕が単に怠惰になったというだけのことなのだと思います。あと、僕なんて大した人間じゃないし、大したことも考えていないちゃらんぽらんな馬鹿者だという大前提の自己認識があったので、そんなやつの妄言をあえてウェブの海にゴミ捨てするのも世のため人のためにならないだろうという気持ちもあった。有り体に言えば恥ずかしい。古巣の上智に顔を出した際にその時の新修士1年生に目をキラキラさせて「ブログ見てます!!」と言われてしまい、「ああごめんなさい!」といってその日のうちに2年放置していたBloggerを閉じたのも今は昔。
でもちょっとやってみようかな。僕は相変わらず馬鹿者のちゃらんぽらんな人間ですが、ただ、僕の知り合いには、僕が心から尊敬する先生も先輩も同輩も後輩も友人も家族もいるので、彼らがふと言ってくれた目の覚めるような考え方や、思わず唸る鋭い疑問などを耳にする機会はあるのだ。自分にとってはとても価値があると感じられることがらを、そういう人たちに迷惑をかけない程度に必要に応じて匿名的にしつつ、文章の形で世に残しておくことには一定の意味があるのではないか、そんなふうに感じることがあった。
またすぐ飽きて更新をストップしてしまうかもしれませんが、とりあえずそんなわけで一応ブログを再開しますとだけご報告いたします。暇で暇でしょうがないときがあれば、時々見に来てやってください。